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和歌山ゲラゲラ紀行《後編》
(前回よりつづく) おっちゃん、30年前は和歌山県下ナンバーワン高校の生徒会長だったという。 やたらと顔が広い。声もでかい。 県庁でもホテルでも病院でも、ドカドカ入っていく。 と、必ず知り合いがいる。 「取材の子ぉ、来と…つづきを読む
2012-01-12 -
和歌山ゲラゲラ紀行《前編》
年末、和歌山からみかんが届いた。 2年前に取材でお世話になったおっちゃんからである。 お礼の電話をすると、おそらく着信画面でわたしとわかったのだろう。 電話に出るなり「ヨボセヨー!!」だって。 (ヨボセヨは韓国語の「もし…つづきを読む
2012-01-06 -
西太后に肝を冷やした話《終幕》
(前回よりつづく) 以後3日ほど、ほかの仕事を完全に打ち捨てて 西太后についてのみ必死になって調べまわった。 中国語の先生や横浜在住の中国通に問い合わせても、 「噂では聞いたことあるけど、出典はわからん」との返事。 だん…つづきを読む
2011-11-08 -
西太后に肝を冷やした話《暗雲編》
(前回よりつづく) 幾度かの打ち合わせを経て、清朝末期の政治を追いつつ 現代中国にも残る風習を紹介する方向で固まる。 なかでも西太后の美容術がおもしろいということになり、 母乳を取り寄せて飲んでいただの、 玉(ぎょく)で…つづきを読む
2011-11-01 -
西太后に肝を冷やした話《序章》
中国近代史の番組。 …ということしか決まってないんだけど、とリサーチの依頼くる。 「打ち合わせまでに、適当におもしろネタを挙げといて。 イメージは『蒼穹の昴』っぽい感じで、よろしく!」 いやいやいや、適当にと言われまして…つづきを読む
2011-10-31 -
上手に失恋した話
その夜、布団に入っても寝付けず。 あんなに蜜月だったのに。どこまで時間を巻き戻せば、修復できるの?もう、追いすがってもダメなのね?よよよ(涙)。 とあるお祭りのリサーチだった。 全国的に有名な、100万単位の人が…つづきを読む
2011-09-25 -
緊縛師のまなざしに愛が宿る《後編》
(前回よりつづく) これまでにいろんなお葬式に行ったけれど、 緊縛師の巨匠のお別れ会ほど強烈なものはなかった。 平日の昼下がり、都内某ホールの大広間。 受付でお香典を出し、記帳する。 たとえばそこで、一輪の花を手渡され…つづきを読む
2011-08-31 -
緊縛師のまなざしに愛が宿る《前編》
「SMのドキュメンタリー番組を作るからリサーチせい」 という命がくだったのは、かれこれ6、7年前のこと。 その後、企画は頓挫し…現在にいたる。 (そういうこと、実に多い。寝かしたままの企画の数々。 この子たちが目覚める日…つづきを読む
2011-08-23 -
断固!ナチズムに立ち向かった夜
夜の大学キャンパスは人気なく。 その静かな構内を歩きながら、ディレクターとふたり、キッパリと決意する。 「もし総合演出がヒトラーを肯定する番組にしたいと言ったら…」 「俺たち、おりようぜ」 「はい。たとえ失業しても、人と…つづきを読む
2011-08-16 -
踊り子の恋は昭和の香り
昭和30年代を舞台にしたドラマのリサーチ。 登場人物に「ストリップ小屋で働く女性」がいるのだけど、 監督はそのシーンをなるべくリアルに再現したいのだという。 踊り子は控え室で何を着てた? 何を食べてた? どんな音が聞こえ…つづきを読む
2011-08-11
I’m always researching something…
Siempre estoy investigando algo
Siempre estoy investigando algo
ときどき「リサーチャー」の仕事を請け負う。
テレビ番組や映画をつくるときの調べもの係だ。
国会図書館で新聞のマイクロフィルムをクルクルとまわしたり、
ローカル線を乗り継いで、職人さんの話を聞きに行ったり。
地味な作業に宿る、知らないことを知るヨロコビ。
(なんて言いながら、知ったことをすぐに忘れるのはなぜだ…)