映画プロデューサー
2013-03-21
「脚本をつくって、スタッフや役者を決めて、
ロケ地を探して、撮影では必ずトラブルが起こって、
監督と喧嘩しながら編集して…。
映画を1本つくるのは、子どもを育てるようなものね」
と彼女は言った。
「わたしは子どもがいないから想像だけど、ネ」
公開初日、ひとり映画館をハシゴする。
客の入り、男女比、年齢層などを自分の目で確認したい。
「なによりも、見終わった人の第一声が聞きたいの」
あぁ、育てあげた子どものデビューを見守る親心なんだなぁ…
と思ったら、ぜんぜん違った。
「見終わってすぐ内容を話したくなるのか、
それとも黙って余韻に浸りたい映画なのか。
もし後者だったら、クチコミに時間がかかると踏んで
すぐに対策を練らないといけないからね」
プロデューサーには、公開後にもまだまだ仕事が残っている。
感慨にふけっている暇はないのだった。