ライフセーバー
2013-02-01
海水パンツ一丁、赤銅色の胸を張り
ザッザッザッと(ややガニマタで)浜を行く。
「河童」の異名をとる泳ぎの名人
御年80を過ぎている。
太平洋戦争中は鮭の密猟で飢えをしのぎ
あとはひたすら、地元の海水浴場の安全を守り続けてきた。
最初に会ったのは海開きの前だったが
待ち合わせ場所は、「海の家でいいだろ?」
「俺、毎日、海を見ないと頭がおかしく
なっちゃうから。ワッハッハ」
豪快に笑う。
「死ぬまでやるよ、ライフセーバー」
の言葉どおり、泳ぎはもちろん
体力維持のために努力を怠らない。
「でな、死んだら三途の川の監視員をやるの。
ワッハッハ」