プロ野球私設応援団団長

2013-04-01
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某球団が関東以北で試合をするとき
外野応援席には必ずこの人がいる。
堅気なのだが、見た目は少し、怖い。

選手の応援歌を作詞作曲し、
トランペット奏者を統率し、
白い手袋で観客の拍手を促す。
だが、任務はそれだけではない。
応援席で何か揉め事が起こったとき
矢面に立って仲間や一般のファンを守る。
「むかしは暴力団がうようよいましたから。
ボコボコにされたり、脅されたり。
怖いからもうやめようって何度も……」
思いながら、29年の歳月が流れた。

あるサッカーチームの応援団長とは長年の友人で
結婚式にも招待された。
選手が何人か出席し、監督からはビデオメッセージ。
「すげえなぁ、羨ましいなぁ、と思いましたよ。
俺なんか、選手と個人的に話したことすらないから。
でも、こっちは選手たちのことを毎日見ているけど
向こうはこっちのことなんて全然知らないっていうのが
自分らしいっていうか、俺はこれでいいなって……」
春風が怖い顔を撫でていく。
応援に、美学あり。

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