セロハンテープメーカー技術者

2013-02-06
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昭和のセロテープを憶えているだろうか。
ロールが段々畑のようにずれていく現象。
糊の付いてないセロハンだけがツーッと剝ける現象。
ひきだしの奥で、ベッタベタの物体になって発見されることも多々あった。

「セロテープは生き物でして」
とその人は言った。
アメリカからやってきたセロテープは日本の気候に合わなかった。
それを技術者が何世代にもわたって改良しつづけてきたのである。
「要するに…(しばしの間)
セロハンと糊をはがれやすくする剥離剤と
セロハンと糊を密着させる下塗り剤。
その両方の薬剤をバランスよく開発するのに
長い長い年月がかかってしまったわけでして」

「要するに…」という言葉のうしろに
果てしなく続くトライ&エラーの大草原が
ほんの一瞬、見えた気がした。

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